M&Aアドバイザーへの報酬額を「率」で決めるとき、何を基準額とするのでしょうか?
M&Aアドバイザーへの報酬額を率で決めるときは、株式譲渡価格がベースにならないこともあると聞きました。何を基準額にして率をかけるのでしょうか?
【Answer】
契約の仕方によって異なりますが、一般的には、株式譲渡価格の●%ではなく、移動する資産総額(取引価格全体)の●%で決めることも多いです。
なぜなら、訳ありで譲渡株価や譲渡事業が1円などの可能性もあります。しかしながらM&Aアドバイザーがお手伝いするのは株や事業だけでなく、M&Aで移動する資産すべてになるからです。わかりやすくするために、以下の設定で考えます。
例. 時価純資産で譲渡する契約で、アドバイザーへの報酬率を5%とした場合、
[売る側]
時価の純資産 1万円
役員借入金 7000万円
役員退職金 3000万円
[買う側]
株式譲渡価格 1万円
役員への借り入れを7000万を返済
役員が退任するのに退職金3000万円を払う
この例で言えば、株式譲渡価格を1万円なので、M&A報酬がその5%で500円かというとそうはなりません。中小企業は会社が大変なときに役員借入金として、経営者が会社にお金を貸し付けることは多いものです。
全体のお金は合計で1億円1万円動いているので、基準額は1億1万円になります。それに5%かけた500万500円がアドバイザーへの報酬となることが多いです。
率で報酬が決まる場合、「何を基準に率をかけるのか」で大きく報酬額が変わることがおわかりいただけると思います。
「基準額が何になるのか」をしっかり把握してからアドバイザリー契約をしましょう。
カテゴリー