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売り手さまへ
私はM&Aアドバイザーであり国家資格キャリアコンサルタントです
M&A Advisor Career Consultant
1.「自分」と「自分のこれから」をマッチング
私の経歴で珍しいのが、M&Aアドバイザーだけではなく、「国家資格キャリアコンサルタント」としても登録・活動していることです。キャリアコンサルタントは国家資格であり、日頃の活動はキャリア理論など知識の勉強も含みますが、何よりカウンセリングをしながら相談者の「自分らしさの追求」と問題解決の支援をする仕事です。
カウンセリングの中では、守秘義務を厳しく守りながら、「個」の尊重をしながら助言することが求められます。
共感的に傾聴を心がけることで相談者との信頼を構築をし、相談者が自分らしい行動ができるように展開していくことをお手伝いします。
オーナー経営者は事業承継の問題を抱えるにあたって、財務分析やSWOTなどのフレームワークで自社を客観的に見直されたかもしれません。ここから先は、「オーナー経営者と事業承継」について自分のビジネスではなく、自分自身のこの先の人生について見つめ直すことについて読み進めてください。
(申し訳ありません:以下、キャリアカウンセリング理論の研究者の説を引用するので、ちょっとむずかしい話になります。)
後継者問題に差し掛かったオーナー経営者に知っておいてほしいこと
①オーナー経営者という役割にとどまらない
オーナー経営者は、会社のトップや筆頭株主としてだけでなく、家庭人として親としての役割もあり自分らしい生き方を探るには様々な影響を受けます。(ドナルド・E・スーパーのライフキャリアレインボー)
②誰しも人生の過渡期がある
人は年齢に応じて、安定期と不安定期(過渡期)を繰り返しながら発達します。事業承継問題を抱える60歳以降は、役割喪失や孤立化が進み新たな生きがいや希望の獲得が大事になります(レヴィンソンの発達段階)。
③大きな転機を乗り越えるための自己分析
人生は転機の連続で、転機を乗り越える努力によってキャリア開発ができます。転機の中には、死別・取引先の倒産・後継者の承継拒否…思いがけない転機もあります。その転機の際に、狭い視野になるのではなく、立ち止まって4Sという視野で点検することが有用です。 (「シュロスバーグの転機理論」 :4Sとは状況(Situation)・自身(Self)・支援(Support)・戦略(Strategies)を指す)。 今は不安や精神的に混乱しても、冷静に自分を見つめ直せば、見えてくるものがあるものです。感情的な思い込みをリセットし、より合理的に考えられるのでおすすめのワークです。
4Sについて自分のリソースを点検してみましょう。
「今の自分の応援団探し」シート ダウンロードはコチラ
④「終結」→「新たな出発」に至るまで、間にある中間の状態を上手にマネジメントできるか
「終結」→「新たな出発」に至るまで、間にある中間の状態を上手にマネジメントできるかがカギだとされます。変わることは何か、思い切って捨てるものは何か、終わらせるものは何か、不安や期待など感情をしっかり受け入れ、責任と自覚をもって自己管理をすることが大事です(ブリッジスの理論)。
もっと詳しく考えたい場合、検索や本で情報収集してみるか、キャリアコンサルタントに相談してみるのもいいかもしれません。キャリコンサーチというサイトで、お近くのキャリアコンサルタントが検索できます。
オーナー経営者にとって会社とは、これまで社員・取引先・地域経済を支えてきた我が家であり、人生そのものです。事業承継をどうするのかは本当に大きな決断ですし、大仕事です。この転機を乗り越える自分をどのようにつくっていくか、自らを勇気づけて励まし、見つめ直してください。「M&A」はタイミングが重要と言われますが、自身の気持ちにもタイミングがあります。ぜひ自分らしいタイミングという視点も入れて、M&Aを決断しましょう。
キャリアコンサルタントはそれを応援します。
後継者問題を抱えたオーナー経営者さま
キャリアカウンセリング申し込みはコチラ
注意)
■職業能力開発促進法
「第三十条の三 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントの名称を用いて、キャリアコンサルティングを行うことを業とする。」
■キャリアコンサルタント名称独占資格
厚生労働大臣が行う国家資格であり、有資格者以外は、その名に近い名称で活動できない名称独占資格です。
2.多様な価値観が共存する時代 迷う自分に強い味方
M&A売却案件として登録しても、多くのケースで半年~2年ほど成約までに時間がかかります。
そのため、事業を引き継いでくれる相手探しを始めたあとも、売却という選択肢でいいのか、また今後の人生についても不安や希望など相反する様々な感情が湧き出ることと思います。それだけ大きな決断であり、人生の大きな転機だということだと思います。さらに、現代はいろいろな情報が入ってくる時代です。外部からの情報、周囲の声などにも大きく影響を受けることでしょう。
国がキャリアコンサルタントを国家資格として設けた背景には、多様な選択肢がある世の中になったからです。昔のように、ほとんどの人が終身雇用で守られ、均質化し、敷かれたレールで同じ釜の飯を食うという時代ではなくなりました。多様な価値観が存在し、仕事だけでなく余暇や自分の時間を大切にしたい人、仕事には待遇より自己実現を求める人などいろいろです。そして外部からは、無限の情報洪水が押し寄せる時代です。
価値観だけでなく、自分の得意分野も人それぞれ発揮できる時代にもなっています。
経営者でも事業のライフサイクル(下図)でいうと、創業期(無から有を創るのが得意な人)、成長期(レバレッジをかけて、横展開の拡大が上手な人)、成熟期(創意工夫で差別化し、さらに効率化で利益を出すのが上手い人)などいろいろだと思います。
M&Aで売却する決断に対しても、周りから「もったいない」、「ありえない」という声が入ってくるかもしれせん。しかし、周りが不思議に思う売却でも、本人は自分らしい価値観に基づき、自分の理由をもって決断をしたのかもしれません。例を挙げると以下のような価値観です。
周囲が不思議に思うこと | 売却をする本人の決断 |
「創業期:これから伸びるのに、エグジットしちゃうの?」 | 自分は、次の新たな事業を興すことに燃えれるし、得意なタイプ。人をマネジメントしながら横展開していく拡大は苦手。むしろ売却した資金を元手に新たな業を起こしたい。 |
「成熟期:こんなに儲かっているのに売っちゃうの?」 | 儲かっているからこそ、買い手に引き継げる。周囲に惜しまれるときがウリドキ。これまでの頑張りが自分の区切り。これからは自分の時間を大事にしたい |
ご相談は無料!まずはお気軽にご相談ください。