今のM&A市場は、売り手1に対して買い手10ぐらいの感覚があります。
つまり、需給でいうと需要が10に対して供給が1しかない状態です。採用でいえば売り手市場のような形勢ですね。
しかし、この需給ギャップでの供給物は企業なので、M&A市場には同じ売り案件が二つとない唯一無二のものだということを忘れてはいけません。
ガソリンなら、供給1に対して需要が10あれば、絶対売れる、しかも高い値段で売れるでしょう。企業の場合はそうはいきません。
事業承継が目的なので、高くなくても売れさえすればいいという人がいるかもしれませんが、そのような考えでは売るのは難しいでしょう。
採用も2人として同じ人間はいないですが、採用の方がまだ可能性があります。労働力を買うのと、企業を買うのではリスクの程度が大きく違うからです。買い手は企業買収となると興味は持っても、買わない買い手がほとんどなのです。
販促オファーで無料体験とか無料サンプル、お申し込みされたことはあるでしょうか?多分相当関心がないとお手に取らないでしょう。無料という最も安い価格でもいらないものはいらないのです。
こう考えると値段云々の前に、事業承継M&Aを売り手として考えている人は、少しでも企業の魅力を高めることを考えなくてはなりません。値段の問題ではなく、抜けれるかどうか、結婚できるかできないかの人生一大事の緊張感をもって準備にあたることを考えてみてはいかがでしょうか。買い手の気持ち、PMI視点(M&A後の統合)で考えましょう。
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