ジョハリの窓という理論はご存知でしょうか。
ジョセフ・ルフトとハリ・インガムという米国の心理学者が考案したモデルです。
図を御覧ください。横軸は主語が「自分」、縦軸は主語が「他者」になります。左または上「知ってる」、右または下は「知らない」という意味になります。
4ゾーンをそれぞれわかりやすく説明します。
①左上(Public) | 「他者も自分も知っている」というゾーンです。ツーカーでわかる仲が理想です。 |
②右上(Blind) | 「他者は知っているが自分は知らない」ゾーンです。他人から「もっとそこに気づけばいいのに。そこを直すだけで立派な人になれるのに・・。」と思われているゾーンです。 |
③左下(Private) | 「他者は知らないが、自分は知っている」文字通りプライベートゾーンです。 |
④右下(Unknown) | 「他者も自分も知らない」ゾーンです。 |
このモデルをキャリアコンサルタントの立場で説明すると、以下のとおりです。
・通常は、左上のPublicゾーンは狭い。自分も他者も知ってくれているツーカーの領域はほんのわずかである。
・そのため、自己理解と他者理解をしてPublicゾーンを広げる必要がある。
・理解するためには、自己理解は「受信」(相手からフィードバックをもらうこと)になるし、他者理解のためには、自己開示をして自分の考えはこうだという「発信」が必要になる。
・「受信」「発信」を繰り返すことこそがコミュニケーションであり、その積み重ねで相互理解が深まる。ただし、互いにゾーンを持っているのだから、自分の受信は相手から見ると発信であるし、自分の発信は相手にとっては受信になる。
・しっかりバランスを取りながら、Publicゾーンを増やしていく必要がある。
私は、キャリアコンサルタントでもありますが、M&Aの売り手と買い手の間で仲介アドバイザーとしての活動をしています。M&Aにも、この相互理解の重要性を訴えたいです。上記のような構図を考えると、成約や引き継ぎ終了までは、それなりに時間がかかることは仕方ありません。特別なテクニックはなく、互いに発信と受信をくり返すことで理解と信頼を深め、最後は心からの笑顔と握手で次のステージへと導くハッピーなM&Aをめざしたいものです。本理論はキャリアコンサルタントでも学習されるもので、M&Aのフィールドでも自己と他者という構図が成り立つため紹介しました。
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