最近は、ネットでM&A案件を探している買い手様も増えてきました。私もM&Aマッチングサイトをよくウォッチしていますが、いざ実名開示をしてもらって案件の詳細を知ると、思っていたものと違うなと感じた経験がたくさんあります。なぜそのようになるのでしょうか?
たくさんの案件がある中、自分に合った案件を探す際に最初に目に入ってくるのが、「ヘッドコピー」です(ヘッドラインとかキャッチコピーとも言います)。数ある案件が並ぶ中、案件の見出しとかタイトルに当たるものです。その役割はただ一つ、「続きを見たくなる言葉で、その案件をクリックをさせること」に尽きます。例えば、「抜群の収益性、EBITDA●●円」「丸投げ、不労所得で運営可能」などです。
売り手様からすると、掲載した以上は続きを見てもらわないと出会いが少なくなるため、文言を工夫して少しでも魅力的に仕上げます。しかし、この構図は誇大広告のようになりがちな部分もあります。実態よりも誇張して表現をしたり、その案件のマイナスの部分が見えにくくなると、買い手が本質的な価値を見つけられないままWin-Loseの関係になってしまうこともありえます。買い手からすると、契約まで行ってしまった場合、M&A後の効果が当然薄くなりますよね。売り手と買い手で利害が全く反対の構図の中、一瞬コピーで興味を引くことは、出会いは増えても、肝心の成約率が低くなります。仮に成約したとしても、当初描いていたとおりの効果を発揮できないでしょう。
ネットでのマッチングは個人売買のように行われるのですから、気軽に探せるのはいいのですが、見えない部分が多くリスクは高いです。一般的には、仲介契約のM&Aアドバイザーをしっかり起用し、DD(買収監査:デューデリジェンス)も行うことで、大幅にリスクが減らせます。最近は中小企業向けのM&Aが増えたことから、低報酬でアドバイザーやDD専門家を契約できます。ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。アドバイザーが入ると本当に勉強になることが多く、この先の2回目、3回目のM&Aにも活かせる利点もあります。
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